アフリカ大好き国際協力で戦う33歳・りさぴょん日記。

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【孤児院への支援は危険?】④海外孤児院ボランティアツアーがもたらす悪影響。

アフリカ大好きマルチリンガル・りさぴょん(@LisapyonKenya)です。

【孤児院への支援は危険?】シリーズ第4回目は、孤児院にボランティアツアーに行くことの危険性を説明します。

孤児院ボランティアの危険性とは?

 

残念ながら、私はカンボジアの孤児院見学ツアーを大学生の時に経験しています。そして、その経験が私の人生の大きな出来事であったことも認めます。しかし、私にはメリットがあったけど、孤児院にいる子どもたちにはどんなメリットデメリットがあったのでしょうか。

 

 まずはなぜ孤児院が子どもにとってベストの場所ではないか、理由を読んでほしいです。国連総会でも、施設保護がほとんどの子どもたちにとって理想的ではない理由に焦点が当てられています。

www.lisapyon.com

目次

 

施設化(Institutionalization)の背景

アフリカの孤児院を話すときにHIVエイズの感染拡大が大きなポイントになっています。2000年初めにHIVの感染が拡大し、片親もしくは両親をエイズにより亡くしたエイズ孤児が大量に発生しました。先進国は戦争等で孤児を保護するために多くの孤児院を作りました。アフリカでは、貧困を理由にたくさんの建物を建てて、そこに子どもを保護する手段を取りました。

そこで起きたのが、

子どもケアの施設化(Institutionalization)

です。

1990年代、ウガンダには、3,000軒あった孤児院ですが、2017年までに4万軒にあっというまに増えました。アフリカ全体で、先進国(欧米)のキリスト教徒による支援が大量に入り、ミッショナリーとして、休暇でボランティアツアーと称し、アフリカの孤児院を訪れるようになりました。これはアフリカだけでなく、インド、カンボジア等々の発展途上国では、定番の支援になっていました。

しかし、宗教的な行事として他者に手を差し伸べるというよりも、目新しいアフリカという国に旅行も行ってサファリも楽しめる孤児院ツアーとなっていきました。

https://issblog.nl/2019/02/06/lets-think-twice-about-orphanages-and-volunteering-by-manasi-nikam/から引用

孤児院の商業化、子どもの商品化

孤児院も子どもを受け入れて学校に行かせ、ごはんを食べさせるために、大量の支援金が必要になります。スタッフも雇わないといけません。孤児院は保護施設で、お金を稼ぐ機能を持っていないので、先進国からの支援がたよりです。

より多くの支援を先進国からもらうために、孤児院が行ったのは、

  • ホームページ可哀そうな貧しい子どもの写真を載せる。
  • ボランティアツアーを企画して、招待する。
  • 子どもたちにダンスや歌を歌わせ、お客を喜ばす。
  • 子どもと交流する時間を作る。

このような行動はだんだんと”孤児”という商品をビジネス化していき、子どもを可哀そうな支援が必要な商品として売り出すことになります。

問題となるのは、孤児院に入所する子どもたちのために利用されるのではなく、孤児院が観光客やボランティアの需要に合わせた運営をしている点にあります。 

 孤児院ツアーブーム、子どもの尊厳どこへ? | 認定NPO法人 国際子ども権利センター(C-Rights/シーライツ)より引用

孤児院ボランティアツアーで個人を訪れたときに、恒例なのが、ダンスを踊って、歌を歌ってくれることです。

訪問者「あれ、今日は平日だよね?学校はー?」

スタッフ「みんな、お客さんのために学校は今日休みました。」

えっ?それはおかしくない?子どもの教育を大人が妨げている。

このような光景は、日常茶飯事です。だって、海外孤児院ツアーは一週間で孤児院に行って、サファリも行かないといけないので、忙しいんです。ツアーの行程に孤児院側が合わせないといけません。

孤児院側はツアー会社から、謝礼金が入るし、訪問者から寄付をもらえたり、物品を販売していれば、たいてい何かしら買ってくれます。

ケニアで出会ってオランダの大学院の先輩でもあるUcembeは、孤児院で育ちました。彼らのような施設で育った人たちをCare leaverと呼び、彼らは施設を出ても、”元孤児” ”施設育ち” "可哀そうな生い立ち" というラベルを貼られて、生きて言います。

彼は、施設にいた子どもの時の経験をこのように語っています。

青いズボンと青と黄色のTシャツを着ました。そこには孤児院のロゴが入っています。施設の中心に集合をして、訪問者を待ちました。この時はいつも靴下を履くのを禁止されました。貧しいそうに見せるためです。もっと寄付をもらえるための行動と知っていました。そして、いつものルーティンです。訪問者が乗っているバンが到着したら、列を作って歌を歌いながら踊ります。

Disadvantaged Childhoods and Humanitarian Intervention: Processes of Affective Commodification and Objectificationから引用

多くの子どもたちは自分で寄付を集めるために、ダンスや歌が必要で強制させられている状況を理解しています。

「どうですか?あなたはいやいや踊っている子どもたちから歓迎されて、嬉しいでしょうか?」

 海外孤児院ボランティアツアーに行くとき、それがどのような子どもに影響しているのか一度考えてみましょう。

愛着障がいを生み出す

ユニセフは、児童養護施設の子どもたちに見られる傾向として、「多動で無差別の愛情を欲しがる」、「他者や知らない人にも非常にフレンドリー」、「親から受ける必要な愛情やぬくもりの欠如」、「不均衡な愛情に不満をもつ」、「依存しやすく社会で生きていくことに不安を感じ自立が遅れる」点や、知能や認識能力の遅れがみられる点を指摘しています。

私も実際に、子どもたちが私を取り合いするケースが何度もあります。みんなで遊ぼうではなくて、一人の大人を独占したいんです。愛情を一心に浴びてお気に入りになりたいんです。

ケニアの施設では少なかったのですが、同時に里子や養子を探している施設では、次こそは私が養子になりたいと、訪問する大人にアピールすることもあります。

ボランティアで2泊だけ、孤児院に滞在するとしよう。

朝から晩まで一緒にいていろんな話をして、仲良くなりますよね。しかし、訪問者は「あー悲しいな。寂しいな。でも帰らないと。」といって、その場を去るのです。構築した「愛情」や「信頼関係」が頻繁に壊れるんです。今日去っても、今週末にはまた違う人が自分の家にいて、またいなくなる。その繰り返しが、何年も十何年も続くと想像してみてください。

孤児院では訪問者による性的虐待のケースも多く報告されています。

 海外孤児院ボランティアツアーに行くとき、楽しい子どもとの交流時間。あなたにとってももしかしたら、一生に1回の貴重な機会です。でも、子どもにとったら、毎週訪れず、悲しい時間かもしれません。

参考文献やメディア

カンボジアの施設ケアに関するレポートです。

resourcecentre.savethechildren.net

私の大学院の教授Kristenが孤児院ビジネスについて撲滅を訴えています。

bettercarenetwork.org

国連指針でも施設保護が子どもにとってベストではないと述べています。

www.zensato.or.jp

 

よくあるボランティアツアーはこんなのがあります。私は何も考えずに昔参加してしまいました。参加する前に自分の利益子どもの利益、両方考えてみてください。

Tripadvisor | 14日間のボランティア孤児院ナイロビのマサイマラとナクル・サファリ湖、提供元:Gracepatt Ecotours Kenya | ケニア

Agape Volunteers | Childcare Volunteering in Kenya