アフリカ大好きマルチリンガル・りさぴょんです。
今日は2020年6月1日アフリカのコロナ感染に書きたいと思います。
特に私の所属するPLASが事業を行っているウガンダとケニアについて書きます!
目次
意外と感染数が抑えられている?
アフリカで最も人口が多いナイジェリアでは、行われた検査は5月25日時点で1000人当たり0.22件だった。当局は、国民の間で広範に検査を行うことよりもクラスターの発生に焦点を当てていると述べた。
新型コロナの広がり アフリカで少ない理由は? | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)より引用
6月1日時点で、ケニアは約2,000名ですが、ウガンダは400名以下で死者も出ていません。海外からの人の出入りの多さやロックダウンの対応によって、感染者に影響が出ていますが、検査をしている数も少なく、実施に感染している人は、莫大な数であると言われています。サブサハラアフリカで一番多いと言われている南アフリカは日本よりも感染者が多いですね。でも日本と比べて致死率が低く、死亡者が低い結果となっています。
世界全体 |
日本 |
|||||
感染者 |
6,167,071名 |
16,751名 |
1962名 |
417名 |
370名 |
32,683名 |
死亡者数 |
372,035名 |
898名 |
64名 |
0名 |
1名 |
683名 |
致死率 |
6.03% |
5.36% |
3.26% |
0% |
0.27% |
2.09% |
回復率 |
42.83% |
85.62% |
24.36% |
17.27% |
69.19% |
51.43% |
【毎日更新】新型コロナウイルス国別発生状況まとめ|世界感染者数の推移グラフも | Comical Pieceより引用
この表を見て、何を感じますか?
そう、アフリカでは治療ではなくて、予防に力を入れて、感染を未然に防がないと医療体制が整っていないため、今後の対応で一瞬で医療崩壊し、コロナ感染でななく、マラリアのような身近なな病気で人が死んでいきます。
アフリカ日本協議会の稲葉さんは、経験を活かしたアフリカの感染症対策は日本よりも進んでいる、とコメントしています。感染症を経験したことのない日本の国よりもガイドラインがあるため、すぐに政府が行動することができます。
南アフリカでいえば、感染者数の多さに目がいきますが、PCR検査数がかなり多く日本の比になりません。そんため、「感染者数が多い=対策ができない」と考えてはいけません。日本は逆に感染しているのに、検査していない人がたくさんいると考えられます。
Zoomセミナー報告: 南アフリカ共和国の新型コロナ対策の実像 – アフリカ日本協議会 -Africa Japan Forum-
政府の早めのロックダウン
アフリカでは感染を防ぐために、国境封鎖をはじめ、各国で対応を早期に始めました。
ケニア―夜間移動禁止、部分的ロックダウン
ウガンダー全土ロックダウン
ルワンダー夜間移動禁止、都市間移動禁止
【随時更新】アフリカにおける新型コロナウイルス最新の状況|アフリカビジネスパートナーズより引用
<ウガンダの例>
ウガンダ政府はいち早くロックダウンをしました。
ウガンダ国内で、コロナ感染者を見つける前から自粛し始めて、死者が出る前に全土ロックダウンという判断の速さ。
2020年3月20日 大統領令で、幼稚園から大学まで閉鎖。集会。バーなどの人が集まる集会を禁止。社会経済活動を禁止
2020年3月21日 ウガンダで初の感染者を確認
2020年3月22日 国境を閉鎖。ケニアのモンバサから石油を入れたりはしている。毎日貨物トラックが3000台から2500台に減っている。物流が少し落ちている。
2020年3月26日 大統領令により移動制限。マタツ・ボダで禁止し、非食料品の商業活動を禁止。
2020年3月30日 大統領令により全土ロックダウン。自家用車での外出も禁止になった。(医療、公衆衛生、水道、食料、エネルギー、エネルギー、通信、運輸は除く)
2020年4月14日 ロックダウンの延長(3週間)
2020年4月27日 緊急支援に関する契約締結
2020年5月18日 ロックダウンの延長(21日間)
2020年5月22日 6/8から受験生だけ学校再開を宣言
ロックダウンで感染予防。代償は?
世界銀行では、コロナの影響でアフリカのGDPが25年ぶりに後退すると予想しています。経済成長しっぱなしだったアフリカにストップです。
しかし、重要なことはこのGDPにインフォーマルセクターは入っていないということです。インフォーマルセクターというのは、路上でトマトを売っているおばちゃんや隣の家で農業の手伝いをしてお金をもらっているお父さんのような人です。
会社に登録して税金を支払っていないようなビジネスでは、政府がどれくらいお金の動きがあるのか管理できていません。
そのような人は今回、ロックダウンにより、外に出てビジネスができないことにより、現金収入がゼロになりました。そしたら、食糧はどうやって確保するのでしょうか?その日暮らしをしている人が多いため、貯蓄をしている人は少ないし、手元にお金が残っていても数か月にわたるロックダウンに耐えられるお金でしょうか。家族6-7人が食べていけるのでしょうか。
アフリカでは農業部門に関わっている人が62.5%と、他の途上国よりも割合が高いです。農業をやっている人にも、影響が出ています。朝、農作業をしようと家を出掛けた人が警察官に射殺されるという事件が起きました。野菜を売ろうと外に出た女性が警察官に棒でぶたれていたりします。
木の棒で女性を叩く警察官@ウガンダ
Coronavirus in Africa: Whipping, shooting and snooping - BBC News より引用
食糧不足
ロックダウンの代償として、行動が制限されて、仕事がなく収入がなければ、食糧が買えず、多くの人が食糧不足に陥っています。
PLASで米、豆、ポショを届けたときにのお母さんの言葉です。
「りさ、本当にありがとう。1日一回のおかゆしか子どもにあげられなくて、本当に死ぬところだった。」
このような人は社会的にかなり脆弱な環境に置かれています。親せきを頼りたくても、会いにいけなかったり、田舎で食べ物が比較的あるところに戻りたいとしても移動できません。
今回大統領が夜、ロックダウンを宣言して、翌日から有効としたのは、このような都市間移動を止めるためだと言われています。都市に住んでいる多くの方は仕事がなければ田舎に帰りたいんです。しかし、何千何万という人が田舎にウィルスを持って運ぶリスクがあります。
3-5月の大雨が終了すれば、乾季となり、自分の畑からわずかでも野菜を収穫できなくると状況は悪化すると考えられます。ウガンダ政府は食糧支援をすると宣言していますが、実際はほんの一部の数百人だけにしか届いてません。
乾季に入っていく、これからさらに食糧不足が加速します。
衛生的な課題
また、ウガンダは50%以上の人が水道施設がなく、80%以上の人が清潔な環境にいません。家が水道がないため、井戸に水を汲みにいきます。それにもお金を払わないといけないため、手や体を洗い水を確保することも通常よりもさらに困難になっているます。ウガンダ・ケニアでは石鹸は、洗濯と食器洗う用両方を兼ねた固形のバーを使います。
そのため、ろ過したか、沸騰した水で、抗菌せっけんを使ってもらうのがベストです。ろ過する器具もないし、水を沸騰するのにも薪や炭を使うので、お金がかかります。抗菌せっけんも1個80円とかなり高いです。固形のせっけんバーは同じ値段で3,4倍大きいサイズです。
PLASでは抗菌せっけんを配布しました。水の確保は住民の方に頑張ってもらうしかないです。そもそも生活環境を緊急支援でどうにかするのは、難しいです。
これからの拡大の可能性
ナイロビで保健ビジネスで活躍する嶋田さんは、「コロナは富裕層の病気です。」と説明しました。それは海外から帰国した人が感染を持ちかえります。そして、その家族や友人が感染するからです。海外に行けるようなお金のある人がかかっていました。
しかし、「これからは、貧困層に広がっていきます。」と付け加えました。富裕層に手伝いに来ているような女性や庭野手入れをしている人はスラムや安宿エリアにすんでいることが多いです。まさに3密エリア!富裕層の家で感染をもらってきて、スラムで感染が少しずつ広がっています。
また、PCR検査できる場所が限られていて、政府もお金がなくて、ヒーヒー言っています。病院へのアクセスも大変です。マタツやバイクは走っていても高かったり、少なかったりします。公立病院ではなく、プライベート病院であれば、費用も高いです。
今、私はケニアで戦う嶋田さんを応援しています。
政府はお金がないので、民間企業に無料でPCR検査を提供するようにお願いしています。そんな馬鹿なという感じではないですか?
経済停滞の中にさらに民間企業が赤字で借金しろよと?
そもそも医療体制が脆弱なケニアでは国内にICUがわずか518台しかなく、3月時点で空きベッドの数はその約1割と言われていました。現在、および今後増加するであろう患者数から推測するに危機的状況であると考えられます
WHOは、アフリカで感染が拡大すると予測しています。
アフリカの新型コロナ感染が最大4,400万人に上ると予測
WHO、アフリカの新型コロナ感染が最大4,400万人に上ると予測(南アフリカ共和国) | ビジネス短信 - ジェトロ
コロナウィルスがアフリカで広がり、変異して、ワクチンを開発してもそれが効かなくなり、日本や先進国に戻ってくる可能性が十分にあります。
アフリカの人を守るだけでなく、自分たちが住む地球全体の人々を思っていまできることを一緒に考えましょう。