アフリカ大好き~国際協力で戦う34歳・りさぴょん日記。

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ウガンダ選手の行方不明。彼の置かれた立場とは。

アフリカ大好き・りさぴょん(@LisapyonKenya)です。

今日はオリンピック中に、いなくなったウガンダ代表選手について書きたいと思います。

 

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写真:<https://news.yahoo.co.jp/articles/66cd7021c0f7e414a0212c631a663fde5177762c/images/000>

 

1. ウガンダ選手の失踪とは

※ニュース報道を元にまとめている情報であるため、必ずしも真実ではないことをご了承ください。

 

7月16日

東京オリンピックに、ウガンダの男子重量挙げジュリアス・セチトレコ選手(20歳)が事前合宿(大阪府泉佐野市)中に行方不明になりました。

部屋にはウガンダの生活は厳しいので、ウガンダには帰らない。日本で働きたい。部屋の荷物は家族に渡して欲しい」という内容のメモが残されていたそうです。

7月20日

三重県で発見。保護された。名古屋まで新幹線で移動して知り合いのウガンダ人接触したとみられています。

7月21日

弁護士は、21日に渋谷署で、選手との面会をもとめたが、担当する大阪府警は応じなかったという。ウガンダに帰国。帰国後に警察に拘留。ウガンダ当局は、セチトレコ選手は「詐欺」容疑で取り調べを受けるため拘束されていると説明。

 

7月27日

「全国難弁護団連絡会議」は、記者会見を開き、日本政府や大会組織委に申入書を提出したことを報告したそうです。

7月28日

ジュリアス・セチトレコ選手は、保証金を納付して保釈されました。

 

<参考ニュース記事>

【画像】 競技を続けるために借金…失踪したウガンダ選手の「過酷な練習環境」 | クーリエ・ジャポン

失踪の五輪ウガンダ選手、帰国で「危険な目にあうおそれ」 難民弁護団が行政の対応を批判(弁護士ドットコムニュース) - Yahoo!ニュース

ウガンダ警察、日本で一時失踪の五輪選手を拘束 「詐欺」容疑(AFP=時事) - Yahoo!ニュース

ウガンダ選手の失踪は例外ではない――消えるアフリカ系アスリートたち(六辻彰二) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

2. 難民申請?帰国したら危険?

「難民」とは,難民条約第1条又は議定書第1条の規定により定義される難民を意味し,それは,人種,宗教,国籍,特定の社会的集団の構成員であること又は政治的意見を理由として迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖を有するために国籍国の外にいる者であって,その国籍国の保護を受けることができないか又はそれを望まない者とされています。

 (引用:難民認定制度 | 出入国在留管理庁)

行方不明になったジュリアス・セチトレコ選手は、経済的な理由で日本に住みたいということでした。しかし、「経済的な理由では難民にはなれない!」という批判が飛んでいます。はい、その通りで、今回の論点はウガンダにジュリアス・セチトレコ選手が帰国した際に、ウガンダ政府から、何等かの加害を受ける可能性があるという論点でした。

 

ウガンダ政府からしてみれば、ウガンダを代表する選手として、日本に送りだしたのに、ウガンダ人が逃げ出したと大騒ぎになる、ウガンダの恥をさらしたわけです。

ウガンダの現大統領は、ヨウェリ・ムセベニ。1986年から権力を握り続け、今年77歳のムセベニは、アフリカ最長の「独裁者」と言われている。選挙で選ばれているのは事実であるが、何度でも選挙で再選できるように、憲法を変えたのが彼である。

このような国では、裏切り行為をした選手に対して、どのような仕打ちがされるか。

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ムセベニ大統領

写真: https://www.cnn.co.jp/world/35165175.html

 

日本はジュリアス・セチトレコ選手に限らず、日本の難民申請にはかなり厳しい。もし難民申請をして日本に留まったとして、可能性はかなり低かったと言える。

 

2019年には日本で10,375人が難民申請をしましたが、同年に政府が「難民」と認定し、在留を許可したのはわずか44人でした。2020年は3,936人の難民申請に対して認定は47人です。

www.refugee.or.jp

 

3. ウガンダの生活。

ジュリアス・セチトレコ選手は、それほどにも生活が苦しかったのか?

ウガンダは、所得水準の低い国の一つで、一人当たりGDPは817ドル(2020)にとどまり、アフリカ平均の1,483ドル(2020)と比べてもずいぶん低い。そのうえ、人口の約20%が貧困層とみられる。

しかし、これはあくまで統計である。統計にしてしまうと格差が見えなくなってしまう。

 

私がウガンダで会った人たちの中には、私よりもずいぶん経済的に豊かな家庭もある。20ドル(2000円)くらいするお昼ごはんをご馳走してくれ、車を運転し、大きな自宅へ帰宅していった。その一方で、PLASで働いている時に訪れた村の生活を見ていると、生きていくのだけで必死のお母さんもいた。ボロボロの服を着て、子どもの布で巻いているお母さんは、家の近くで木材を集め、炭を作って売っていた。1日の売り上げはよい時は、300円。悪い時は0円。近所の人に食糧を分けてもらって生活していた。

噂ベースではあるが、ジュリアス・セチトレコ選手のような代表選手には、日本の選手のようにスポンサーがいないため、国や協会から月に2万円程度もらえることがあるという。2万円はウガンダの平均月収でもあるが、彼の場合、アスリートとして練習するために必要な用具、ウエアを2万円から賄わないといけない。交通費もだ。しかし、奥さんとお子さんがいれば、2万円を全部使ってよいというものではない。練習があれば、働く時間がないので、2万円以外の収入がない。練習を減らすとパフォーマンスが落ちるので、選手に選ばれなくなる。

 

私はもちろんジュリアス・セチトレコ選手に会ったことがないが、選手としてパーフォーマンスを出すというプレッシャーと生活が苦しいという中に挟まれていたのではないかと思う。こういった選手になると親族の中でも目立った存在になると経済的にも依存されることもあるだろう。臨時収入が入れば、貧しい親族がやってくるし、家族が大切なウガンダでは無下にすることもできない。

東京オリンピック以外には数多くの国際試合に出ているジュリアス・セチトレコ選手は先進国で人々の生活をみて、自分の生活と比較したのではないかと想像する。

 

「なぜ自分の生活はこんなに苦しいのに、先進国の人たちは豊かなのか」

 

PLASが活動しているウガンダでも、ケニアでも、水と電気がない暮らしをしている人たちはいる。

水がないという生活は、

  • 毎朝、水を汲みにいかないといけない
  • 水を汲みにいくのに時間がかかって働く時間や勉強する時間が減る
  • 湖や川からの水は、きれいな水ではないので、下痢や感染病にかかりやすい
  • 毎日手洗いや体を洗うのも自由にできない

想像してみてください。水がない生活。

まず起きて、トイレにいっても流す水がない。歯磨きするのにも水がない。朝、お茶を飲もうと思っても水がないので、お湯を沸かせない。

 

 

 

ジュリアス・セチトレコ選手が日本で行方不明になったという事件でしたが、これは彼が置かれた環境が彼にさせたことだと思っています。世界でも重量挙げのトップ選手でありながら、練習をするためにお金を借りることもあったそう。

平和のためのオリンピックですが、私たちはいろんなことを考えさせられることになりました。ジュリアス・セチトレコ選手が2度とウガンダ代表選手に選ばれないのではないかという不安があります。ウガンダの社会の中で、孤立せずにこれからも重量挙げのトップアスリートとして活躍してほしいというのが、心からの願いです。

アフリカ大好き・りさぴょん(@LisapyonKenya)でした。