アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

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ジンバブエには現金がない?ジンバブエドルと米ドルを使い分ける生活。

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)です。

今日はTwitterから質問が出た、ジンバブエのお金についてお話します。

ハイパーインフレで有名なジンバブエジンバブエは国内経済の崩壊でインフレ率が2億3000万パーセントという意味不明な高騰。2009年にジンバブエドルは事実上使用できなくなり、2015年に正式に廃止しました。2008-2016年は、米ドルのみを使っていました。

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廃止になったジンバブエのお金

写真:https://www.theguardian.com/money/2016/may/14/zimbabwe-trillion-dollar-note-hyerinflation-investment

 

目次

 

通貨は2つ。

現在ジンバブエでは、毎日の生活で、

RTGSドル(ジンバブエドル米ドル

の両方を使えます。以前は米ドルだけ使われていましたが、ジンバブエドルが導入されました。スーパーはRTGSドル(ジンバブエドル)、外国人向けのレストランは米ドルで表示されていることが多いです。表示に関わらず、どっちの通貨でも支払いに使えるのですが、スーパーで初めて買い物した際に、表示はRTGSドルだけど、私は米ドル現金で支払いたい!レートは何を使うんだ?となりました。

公定為替と市場為替

ジンバブエでは、RTGSドル(ジンバブエドル)の価値が低いため、レートがどんどん変わっていきます。そのため、ジンバブエ政府は公定為替を設定します。

2021年8月24日現在では、

1米ドル=84.5416RTGSドル

https://www.rbz.co.zw/index.php/research/markets/exchange-rates

これを市場で使うように政府が発表しています。銀行で両替する時はこのレートが適用されます。が、銀行は両替する人がいないと思います。

というのは、市場では別のレートを使っています。闇レートとか言われることが多いです。ジンバブエでは、公定為替がすこぶる悪いので、市場レートを使うのが普通になっていて、闇レートとかいう人いないです(笑)

私が8月18日両替してもらった時は、

1米ドル=138RTGSドル。

 

300米ドル両替したら、こんなに違います!!

公定為替:25,362 RTGSドル

市場為替:41,400 RTGSドル

 

私がジンバブエに来た2021年4月は市場レートは、1米ドル=128RTGSドルでした。たった5か月で、128から138に!!

これは継続して上がっていく見込みで、現地の方はお給料をRTGSドルをもらうことが多いようですが、貯蓄する時は米ドルに両替するようです。「こんな価値がどんどん下がっているお金は持っていても仕方ない!」と、現地の方は言ってました。

スーパーやレストランは公定為替を使うように政府から言われていますが、スーパーもレストランも独自のレートを導入しています。なので、スーパーの値段が安いなーと思っていても、米ドルで払い、レートが悪いとあまりお買い得な買い物にならないよね~。

 

現金がない

前任者「 ジンバブエで生活するなら現金で200万円分の米ドル持ってきた方がよいです。」

私「えっ?現金で????」f:id:lisamiseki:20210824224132j:plain

 

ジンバブエに来る前の引継ぎで、言われてすごいびっくりしました。キャッシュレス社会になっている中で、現金で200万円の米ドルを運ぶの??

はい、ジンバブエは銀行にお金を預金していて、国全体で現金を持っていないので、引き出せません。ATMで1日最大1000ドル引き出せるとなっていますが、ATMにお金がない時もあるので、毎回引き出せるとは限りません。また、家賃の支払いを現金でしてほしいという大家さんがほとんどなので、まとまった現金が必要です。私は3か月ごとに払っています。ひと月1600ドルの家なので、4800ドルを現金で支払うことになります。

ジンバブエに着任して一カ月で、これくらい使いました。

  • 3か月分の家賃 4,800ドル
  • 車の購入 4,700ドル
  • 車の保険、車のタイヤ交換他 350ドル
  • VISAの支払い 500ドル+20ドル
  • 生活費必要なものの購入 1,000ドル

合計 11,370米ドル(124万円程度)

私は最初の3か月分の家賃(4-6月)は自分で支払いをしましたが、2回目(7-9月)支払いは、手元に現金がなくて、日本に休暇で帰国している上司に日本から米ドルの現金を持ってきてもらい、お金を借りるということがありました。(笑)

今は、アメリカの銀行にお給料が入るので、その米ドルをこちらで開設して、米ドル口座に送金しています。現地銀行で米ドルを引き出すのですが、さっき書いた通り、銀行にお金がないことが多いので、手元に現金がなくなっていくのが不安です(笑)

また、スーパー・レストランではおつりがないので、100ドルとか持っていないとおつりがないと言われたりします。日本から細かい紙幣も持ってきたつもりですが、すぐに使い終わってしまいます。上司はみずほ銀行で、1ドル札を100枚にしてもらって持ってきていました。旅行にしても、こちらに暮らすにしろ、細かいお金を持ってきた方がよいです。

ハラレ暮らしであれば、現地銀行のカード払いやモバイルマネーが使えるのですが、ローカルなお店に行ったり、バスに乗ったりする場合には、現金が必要になるため、JICA海外協力隊はみなさんは細かいお金が必須です!!

 

支払い方法

スーパーやレストランで、お会計の時に、「何で払いますか?」と聞かれます。選択肢はこのようになっています。

 

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写真出典: https://firstcapitalbank.co.zw/cards/#

現金

上記に書いた通りで、現金でちょうど払えると良いのですが、おつりがないことが多いので、100ドル札を出すと無理と言われる時もあります。50ドル出してなんとか他のお店からおつりを探してきてくれることもあります。

海外銀行のカード

  • 米ドル インターナショナルカード

海外のクレジットカードを使えるところはほぼありません。私は給与をアメリカのUnion bankに米ドルで入金されるという制度なので、Union bankのデビットカードでスーパーで支払いもできますけど、すこぶるレートが悪いです。市場レートが138なのに、94くらいで支払いをしています。公定レートにかなり近いレートですね。現金をあまり持っていないので、仕方なくUnion bankのデビットカードで支払いをすることが多いです。観光地でも使えないことが多かったりとか、クレジットカードのマシーンはあるけど、ネットワークがなくて、使えないということもあるので、観光の方も、現金を持ってくる必要があります。

現地銀行のキャッシュカード

私はジンバブエに来て、First capital bankというジンバブエの銀行を開設して、米ドルとRTGSドル口座を開きました。開設には2か月程度かかりました。この国の通貨は不安定で金融も破綻しているので、銀行をあまり信じていません。米ドルにお金を入れておいてたのにいつも間にかRTGSドル口座に変わってきたという事件が起きたらしく、あまりお金を銀行に入れておくことをお勧めされませんでした。

しかし、スーパーやレストランでは、RTGSドルのキャッシュカードを使うのが主流です。支払いは?と聞かれて、「カード」とは言わず、皆さん「スワイプ」と答えています。最初のころはスワイプがなんだかわからず、レジで大変でした。

私は持ってきた米ドル現金を市場レートで両替してもらい、両替商に直接First capital bankのデビットカードかEcocashに振り込んでもらっています。

 

モバイルマネー

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ジンバブエのモバイルマネーといえば、Ecocashです!キャリアであるEconetに契約している方であれば、アクティベートの手続きさえすれば、Ecocashが使えます。自分の電話番号が口座番号の代わりになり、自分の番号にRTGSドルを入れておきます。スーパーやレストランでビジネス番号と支払い金額を入力することで、支払いが完了します。モバイルマネーをよく使うのは、野外マーケットです。スーパーはカードを読む機械を持っていますが、野外のマーケットでは小売りの方は現金かEcocashでしか支払いできません。マーケットで毎回現金を使っていると細かいお金がなくなるし、おつりがないことが多いので、Ecocashを使います。この場合、米ドル表示だったら、「Ecocashで払いたいんだけどいくら?」と聞くと、販売している人が「3米ドルだから、、、360RTGSドルだよ」と計算してくれます。この場合この人は1米ドル=120RTGSドルで計算してくれたことになります。マーケットでも、レートを少し高めにしている人もいれば、低い設定の人もいます。

 

支払いの時に私たちがは、RTGSドル(ジンバブエドル米ドル、どっちで払った方がレートが良いのかを見ます。

ジンバブエでは、いまだにインフレが続いていて、RTGSドル(ジンバブエドル)の価値が下がっていきますので、米ドルを持っているのが有利です。

 

 

ということで結論は、

ジンバブエで暮らしているためには、現金!!

旅行でジンバブエに来る人も、現金!!

 

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