アフリカ大好きりさぴょん(LisapyonKenya)です。
今日は、最近読んだ『アフリカ希望の大陸』という本について感想を書きたいと思います。これは、沢山情報インプットされた時に、アウトプットすることで自分の考えが整理するために、行っているので、皆さん向けではなくて、自分のための記事です(笑)
半年後や数年後にこの記事を読み返して、あの頃の私は開発や国際協力に対してこうゆう考え方をしていたんだなと思い返せるようにしたいと思っています。
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目次
なぜこの本を選んだ
著者がナイジェリア系アメリカ人のジャーナリストという肩書に興味を持ったからだ。米国で生まれ、エール大学卒業。私は日本人が書いたばかり本を読んでいる。私は英語話者であっても、母国語の日本語の方が理解も深いので、日本人が書いた日本語の本ばかりに偏っている。期待した通り、米国で育ったアフリカオリジンの女性のアイデンティティからの考えや意見が見れた。彼女は両親がナイジェリア人でアフリカにも渡航しているけど、アフリカで育ったナイジェリア人ではない。彼女の目からどんなアフリカが見えるのであろうか。加えて、日本語訳されていない海外の本の引用がたくさん出てきた。
タイトルの通りアフリカが「貧しい国」という紹介の本ではなく、「希望の大陸」として紹介されているのにも、目を引いた。
アフリカは貧しい。施しを待つ哀れな人々が暮らしている大陸だ。本書は、このような固定観念を吹き飛ばしてくれる好著である。
カンジュ
アフリカの苦悩から生まれた、独特の創造力のことだ。
本書より引用
本書で何度も出てくる言葉である。アフリカの人たちは無能ではない!いろんなアイディアを持って、活躍しているんだ、というメッセージが込められている言葉だと思う。
ナイジェリアのメール詐欺
インターネットがじわじわ広がり使いだした時に、ナイジェリア人が国外にいるナイジェリア人に「お金を送ってほしい」等の詐欺メールでお金を稼いでいた。今ではよくある詐欺で珍しくもないが、最初に詐欺を始めた人たちは、ナイジェリアでも英語ができて、成績の良いひとたちであったということだ。仕事がない中でどうやってお金の稼ぐための悪知恵はあった。そうゆう知恵やアイディアを思いついて行動できるのが、学校で成績の良かった若者たちだ。もしそれがアメリカだったら大学に進学して大手に企業に就職したかもしれない。だたの詐欺メールの例であるが、アフリカの生活の中で常に工夫して生きているという例である。
これは私もナイロビで経験している。ナイロビはスリのスキルがすごい(笑)3人組になり、銀行でお金をおろしたのを確認するとバスに乗るまで後をつける。バスに乗ると3人組が横と後ろに座る。
①長距離バスの場合は睡眠薬入りの飴を食べさせる
②シートベルトをした方がいいと言ってシートベルトを探す手伝いをしながら、もう一人が盗む。あと一人は見張り。
③足元にわざとコインを落として探すふりをする
人間の心理をよく研究して、どうゆう声かけや誘導なら、相手のスキを作れるか計算されており、それがチームワークで行われている。ターゲットは行動を観察して、ムズング(外国人)やタウンに慣れていない田舎者等に絞っている。こんなに巧妙なスキルがあるなら、他の仕事ないのかなと思ったのを覚えている。
アフリカの生活
アフリカのこまない習慣や生活様式のシーンが沢山出てくるため、アフリカに住んでいた人も、「ああ、そうだよね」と共感することが多くて面白い。
この本の最初に出てくるアフリカの道案内についてだ。スマホを持っている人が多い首都でも多くの人がGoogle mapやGPSを使わない。道を聞くと、その地域をわかってないとわからないような説明をしてうる。
私「オザヤに行くバスを探してるんだけど、どこに乗り場がある?」
その辺の人「タウンの〇〇ビルの反対側にある道を●●病院方面に歩いていくと、見つけられるよ。」
そして、多くの人が「わからない」「いいえ」と言わない文化であるため、道がわからない人に道を聞いてしまうと大変。彼らは、適当にあっちだよという。道を聞いた瞬間にピン!ときていない顔でなければ、道案内は無視して次の人に聞いた方がいい(笑)
また、ナイロビ生活中に隣の空き地でトウモロコシを雨水だけで育てて、販売している人の描写も共感を生む。自分の土地ではないけど、住み続け、そこで主食のウガリに必要なトウモロコシを育てる。そして、そのトウモロコシを道端で炭火焼して販売している。私も良く小腹が空いて買っていた。「20円分ちょうだい。やらかいやつね。」というと選んで短く折った焼きトウモロコシを買って食べた。日本のように甘いトウモロコシではないのだが、なんか癖になる。(笑)
こういったアフリカ(首都以外)に住んだことある人なら、経験するような話がたくさん紹介されていて、楽しい気持ちになる。
ガーナの匿名ジャーナリスト
筆者はしくじり国家として、アフリカの政府を批判している。資源がありながら、そのお金はどこに消えているのか。少ない税収にしてもどこに消えているのか。その中、悪事を暴いていく、調査ジャーナリスト、アナス・アレメイアウ・アナスが紹介されている。私は知らなかったのだが、西アフリカで政府や企業の悪事を暴いていくヒーローとして人気のようだ。
たとえば、ガーナの国営の孤児院に潜入取材をしており、虐待や不適切な管理が行われている現場を撮影した。暴露後に社会福祉省は超あを行い、彼の主張が裏付けられた。
「僕がやっているようなジャーナリズムの場合、重要なのは首謀者の名前を公表し、東国することだ。」
そして、ただ潜入するだけではなく、「動かぬ証拠」をつかんでいく。
彼を非論理的な取材だと批判する人が多いが、彼が「僕は確かに法をやぶっている。だが、すべて最終的には公益のためだ」と言っている。
彼の言動を通して、真正面から問題解決するだけが「正」ではないと感じた。彼のやり方を卑怯と思う人もいるかもしれない。しかし、腐敗した政府に対応するにはそれなりのやり方が必要だ。政府の汚職やわいろを訴えても、警察にお金を払えば解決するし、法の裁きも受けない。先進国のような司法国家とは違う。彼らがこのような言動を取るにはかなりのリスクが負う。政府系の人に命を狙われるかもしれないし、簡単に家族とも会えないだろう。隠れてずっと暮らさないといけない。潜入捜査も数年にわたる。彼の人生をかけた戦いに感動した。
違和感
「アフリカにはこんないろんな可能性に溢れている」ということを強く主張するあまりに「アフリカだってこんなすごい人いるんだよ」的なニュアンスになってくる。そうなると世界にもいろんな才能や発明をした人もいるので、アフリカだけいるような書き方をされると違和感がある。彼女はアフリカの才能を知ってもらうために、アフリカのカンジュを例に出して彼らの生きる力を書ているのだろうが、そのように可能性を持った人は世界中にいる。私はアフリカが”可哀そう””貧しい”という固定観念を持っていないので、アフリカにこんなすごい人がいると言われると、[うん、そうだろうな]と、逆に変な感じがある。アフリカが希望の大陸というと、本当は希望を持っていない大陸とみられているのからと、変な裏読み(笑)。アフリカのことをこれから知りたいと思っている人にとっては良いのかもしれない。
最後に。
アフリカに関するいろんな本を読んできたが、この本は私の価値観に近い本かもしれない。アフリカを美化すぎる部分もあるかもしれないが、筆者が短くもアフリカで生活したことやアフリカの家族を客観的に描写しており、リアルなアフリカを想像できる。可能性にアフリカがどうゆう場所なのか知りたい人にお勧めしたい本だ。
アフリカ大好きりさぴょん(LisapyonKenya)でした~