アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験を書き残していくためのブログ。

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ジンバブエで草の根委嘱員。利点と欠点を考える。

アフリカ大好きりさぴょんです(@LisapyonKenya)です。

今日は、草の根委嘱員の仕事を1年やってみて、自分のなりにどこがいいと思ったのか、どこか難しいと感じたのか、書き残したいと思います。

 

草の根の仕事内容についてはこちらの記事です。

www.lisapyon.com

草の根の仕事をしてて、良いと思ったところ

建物の支援


今までインフラ等のハード面支援ではなくて、人材育成・能力強化とかネットワーク作りとかソフト面の支援をしてきた。草の根だと建物しか作れない。そう、ハードの支援限定!建物建てるだけってなんか建設に膨大なお金がかかって、その地域にいる人の能力が伸びているわけでもないし、なんか持続的ではないなと思ってた。でも、実際のところ、教室や病院とかの建物を必要としてるケースがアフリカでは多い。老朽化してるとか、元々その街にないとかもあるけど、人口増加が進む中で学校なんて建てても建ててもすぐ足りなくなる。ソフト面の支援をしたいNGOや大使館が多いために、逆に建物しか支援しない助成金ってアフリカだと珍しい(笑)

(外務省がやってる。(ODA) 日本NGO連携無償資金協力 もハード面が中心の助成だね。)


学力を向上したいというプロジェクトを計画しても、やはりインフラの部分、環境が整ってないと、何かを変えること難しい。いくら教師のトレーニングや教材を導入しても、雨風凌げる教室があることが大前提。教師が知識や教授法を得て、やる気が上がっても、この教室だと生徒来ないし、「せっかく学んだことが実践できないよー」という結論になる。よくアフリカの人にお金ないくせに文句言うなとか、わがままう言うなって人がいるけど、それは違う。日本だって、環境がなれば教育を続けることが難しい。持続的ではないとか批判をもらいやすい建物の支援だけど、目の前で教室や病院等のニーズがあることがわかって、一緒に1年で建物が完成させて、現地で必要な人に届けられてるのはやってて、自分でも嬉しい。


地域に縛りがない

ジンバブエ全土から申請が来て、ど田舎からとかも沢山募集が来るので嬉しい。やっぱり政府とかから支援をもらうのは大きい街だけど、草の根であれば、NGOが活動する地域なのでどこでもいい。おかげでジンバブエの色んなところへ出張に行き、コミュニティの生活をちらっと見ることができた。隊員やNGOみたいに特定の地域に根ざして活動することが出来ないという部分はあるけど、逆に広く浅くジンバブエを知ることができている。

ジンバブエの場合は、1986年から草の根無償を実施しているので、地方にいくといろんなところで日本の支援で作ったものがある。草の根無償以外にN連だったり、日本のNGOが建設したものもある。1000万円で必要なすべての施設が建てれるわけでもないけど、少しずつジンバブエの人たちに支援が届いているんだと感じる。

草の根で建設した女性支援施設が使われているのかモニタリング

 

草の根の難しさ

支援できるNGOの規模


日本政府にしたら、1000万円は小さい助成金ではあるけど、アフリカのNGOにしたら、1000万円がどでかい。そして、他の助成で許してもらえない建物が作れるとキタ!しかし、こんだけ大きいお金を入れるけど、人件費や交通費、銀行手数料等はNGOが支払わないといけない。ソフトのプロジェクトでは少し予定変更が必要だとしてもそんなに経費が増えない。でも、建物場合は、行政に建物の構造とか指摘されて変更しなきゃいけないとなると、100万円くらいかかったりする。なので、そもそも資金規模が小さいNGOや国際団体や他の大使館とプロジェクトをやったことのないNGOは申請が通らない。
小さいNGOこそ助成したいもんだが、より経験のある資金が安定的にもらえているNGOしか選べないという厳しさ。NGOであれば、責任を持って、自分たちの団体

が柔軟に対応するけど、政府から助成金となれば、慎重にならざる負えない。

 

 

NGOがプロジェクトを計画する能力

正直、ジンバブエNGOは、数も少ないので競争性が低いし、海外のNGOを母体としているアライアンス系と呼ばれるNGOも少ないので、プロジェクトマネージメントの能力や国際協力のトレンドに少し遅れ気味である。申請書を出してくるけど、論理的ではないものが多くて、「子どもたちが学校に行けない」という問題を提起しているのに、解決策には「井戸を掘りたい」みたいなとんちんかんな内容も多い。

「何が問題で、何がその原因で、何が解決策なのか」

これを整理して申請書を書ける人が本当に少ない。過去に書いた他の助成金の申請書をコピペしている人も多い。質問に全然答えてないw 地域の背景を書いてもらう部分ではWikipediaをコピペするやつまでいる。

NGOがドナーに対してどうやってProposal writingすれば、わかりやすい説得力のある文章になるのかという研修をやりたいなと思ってる。でも、それは草の根委嘱員の業務を超えることである。また、NGO職員自身が自分の申請書に問題があると思っていないので、その点で言っても難しい(笑)

日本なら、JICAの研修があったり、本があったり、他のNGOの活動報告会があって、外部の人が簡単に参加して学ぶことができるけど、ジンバブエではNGOに入るのがゴールでそこから自分の専門性を伸ばしていくことって難しい。

 

地方の村。土壁の家に住んでいる。

ということで、今回は1年を振り返って、私が草の根無償について感じたことを書きました。国際協力の中でも、「外交としての国際協力」の現場である在外大使館は目指しているところも違うし、評価されるところも異なるので、隊員出身の私には理解できないこともたくさん出てきています。業務での難しさはあるものの、待遇はいいので、もう少し続けて貯金して、フランス語の勉強や二個目の修士に使いたいなと思います。

アフリカ大好きりさぴょんでした~(@LisapyonKenya