アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験を書き残していくためのブログ。

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ルワンダKISEKIでDI(脱施設化)についてお母さんに意見を聞いてみたーKISEKI@ルワンダでのボランティア4日目

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)です。

今日はKISEKIでボランティア4日目。代表の山田さんにお時間を頂き、KISEKIのスタッフとDI(脱施設化)について意見をもらいました。

 

今日は、私が大学院で調査したDI(脱施設化)について、お母さんたちに議論する時間を頂きました。ルワンダはDI先進国でアフリカの中で一番進んだ国なんです。いや、DIってなんやねん?w

DI(脱施設化)とは?

「社会的養護が必要な子どもたちに施設ケアではなくて、家庭ケアを提供しよう」

ん??ってなると思います(笑)

私の過去の記事やyotuubeもご覧ください。

youtu.be

www.lisapyon.com

 

社会的養護が必要な子どもたちの定義

社会的養護とは、保護者のない児童や、保護者に監護させることが適当でない児童を、公的責任で社会的に養育し、保護するとともに、養育に大きな困難を抱える家庭への支援を行うことです。

社会的養護は、「子どもの最善の利益のために」と「社会全体で子どもを育む」を理念として行われています。

参考:社会的養護 |厚生労働省

 

保護者が子どもの養育できない場合は、

●施設(児童養護施設)で育つのが良いのか

●家庭(親戚、里親、養父母)で育つのが良いのか

という議論です。これは、もちろん子どもによって状況が異なるので、どっちが正解というのはないと思います。しかし、多くの子ども場合は家庭環境のある場所が良いと考えます。精神的、身体的、知的あらゆる面で、施設でのケアは子どもの発達に悪影響があると言われています。これはヨーロッパ、アジア、アフリカで実施されたあらゆる研究において、悪影響があると言われています。その理由はブログやyotuubeをご覧ください。

ケーススタディ

KISEKIのスタッフは多くがお母さんです。運営を実施する以外のスタッフは貧困家庭のお母さんです。実際に自分の子どもがいる方です。

お母さんたちに、この質問をしました。「子どもの幸せを考えるなら、どっち?」

エバソン君のストーリー

A child (Everson)  lost his mother. His father does not take care of him. The mother of his father (grandmother) accepted him but she is 80 years old. 

エバソンくんは、お母さんを亡くしました。彼のお父さんは彼の面倒を見るのを拒否しました。父親のお母さんであるお祖母ちゃん(80歳)が子どもを引き取ることにしました。

Grandma speaks only swahili. Everson speaks only rwanda.

Grandma does not have any job, neighbors help her to survive.

お祖母ちゃんはスワヒリ語だけななし、エバソン君はルワンダ語しか話せません。お祖母ちゃんは仕事がなく、近所の人がお祖母ちゃんが生活するのを手伝っていました。

Children Home is supported by UK.

He can get food, education. 150 children but only 5 staff.

they stay together a big house. No private.

児童養護施設はイギリスからの支援を受けていて、子どもたちは食べ物があり、教育を受けることができる。150名の子どもが施設にいるのに、スタッフ5名しかいない。大きな施設にまとめて住んでいる、プライベートはない。

 

お母さんたちの議論

お母さんA「お祖母ちゃんはお金がないから施設の方がいい」

お母さんB「お祖母ちゃんでは難しいのではないか」

お母さんC「施設に預けて、18歳になったら引き取ったらいいのではないか」

 

お母さんたちは食事が毎日与えられて、教育が受けられるという部分で施設ケアの方が良いと考えている。普通に考えて母親だったら、子どもが貧しい環境で生活するのは避けたいですよね。

 

ここで、私がひとつ情報を加えました。

私「施設では食事と教育が提供されますが、150名の子どもに5人しかスタッフがおらず、近くに大人がいつもいません。愛情を提供してくれる人がいません。施設は18歳になると自動的に追い出されてます。そこで、家族の元に戻ることは困難です。愛情がまるが貧しい生活か、食事と教育はもらえるが愛のない人生か」

お母さんD「お祖母ちゃんと暮らす方がいいと思う。」

お母さんE「お祖母ちゃんと暮らして、お父さんに支援してもらうように説得すればいい。」

ここでお父さんへのアプローチを自分から考えて発言するのはびっくりしました。男性に対して期待していない女性が多い印象があったからです。父親にもしっかり子育てに協力してもらうべきだという当然な意見が出るのに時間がかかりました。

 

コミュニティでボランティアとして働く方がいて、DIのことを知っている方でみんなに説明をし始めました。

スタッフA 「ルワンダは施設なんてない。どんな場合でも家庭で子どもは育つべきだ。地域には"エンジェル"と呼ばれる里親さんがいて、子どもを預かってくれる人がいる。もし街にネグレクトされた子どもがいたら、施設ではなくて、里親さんに連れて行けばいい。」

コミュニティで働く人がここまでDIのことを理解しているのにはびっくりしました。ルワンダは地域の人にも研修をして徹底しているなと感じました。本当にこれには感動しました。

議論に最後には、このコミュニティボランティアの方のお話もあり、お母さんたちは家庭ケアが子どもによいという理解になりました。

しかし、一人のお母さんが「結論は何なの?」と聞いてきました。

私「今日は議論をしてみんなで子どものケアについて考えるのが目的なので、答えはありません。しかし、ルワンダ政府は施設ケアゼロを目指して活動しています」

議論に慣れていないお母さんも多く、答えを知りたくなってしまうこともあるようですが、自分で考えてもらう機会を作ったので、引き続き、お母さんたちの中でも、考えてほしいなと思いました。

 

コミュニティボランティアの方には、「あなた、面白いわね。いい機会になったわ。ほ他の日本人と違うわ。」という言葉をもらって嬉しくなりました。

実際にお母さんたちが子育てについてどう考えるのかを聞くことができて、とてもいい経験になりました。

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)でした。