アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験を書き残していくためのブログ。

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ソーシャルビジネスへのチャレンジ ~夢に近づく一歩~

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)です。

 

今日はケニアでソーシャルビジネスを決意した背景をまとめてみたいと思います。これは自分のアウトプットとして私の思考をここで整理しておきたいという目的もあります。

3年後、5年後の私へ。

今は私はこんなことを考えているよ。

 

カリユキへ会いに行く

目次

 

私の夢

「アフリカの子どもたちが安心して家族と暮らせる社会を作りたい」

私が2014~2016年にJICA海外協力隊でケニアに派遣された時に持ち始めた夢です。大学生の時にカンボジアの孤児院を訪れたことをきかっけに「途上国の子ども」「孤児院」というキーワードで、国際協力に興味を持つようになります。ケニアでも、孤児院を支援するような活動がしたいと思い、ケニア児童相談所に派遣され、任地オザヤの孤児院においても様々な活動をし始めました。

・子どもの権利について学ぶ

・絵画コンテストに参加するために絵を描く

・孤児院の施設の環境改善のためにベッドや消火器の購入

・子どもが法律上正式に家になるための手続きの手伝い

しかし、どれも子どものためにはなってませんでした。

この孤児院は劣悪な環境ではありましたが、オザヤのタウンにはこの施設しかなくて、捨てられたり、道で一人で置き去りにされた子どもはこの施設にたどり着きます。しかし、私が活動する児童相談所は、人口8200人対して、1人しか正式な職員がいません。毎日対応しなければいけない業務が山のようにあるのに、子ども一人ひとりの保護者の追跡や家庭調査等できるわけありません。また、必要な業務に使うための交通費は十分に政府から支給されてませんでした。

このような状態で何が起きるのか。

「面倒な子どもの案件があると、孤児院にとりあえずポイっと入れておく。」

これはオザヤだけでなく、ケニア全体、アフリカ全体で起きた問題でした。エイズ孤児が増え、保護者がいない子どもが増えたと言って、数えきれない孤児院を大量に作り、子どものケアを施設化していきます。

施設で長期的に育った子どもたちの弊害はたくさんあり、大人になって施設を出た時に、一生抱える問題と向き合うことになります。

・100人の子どもが一緒に寝るのでプライベートがない

・100人の子どもに対して世話を見てくれる人はローテーションで5人だけ

・特定の人からの愛情を受けられない(愛着障害をもつ)

・18歳になったらいきなり施設を追い出されるけど、家族を知らないので、行く場所がない

・施設育ちで家族というアイデンティティを持てずに、所属意識がない

・村で育ったことがないので、一般的な村の生活がわからない

 

施設育ちA

「4歳で捨てられ、16歳でやっと祖母に会ったけど、ルオ語を話すので、コミュニケーション取れなかった。施設ではキクユ語で育った。そして、祖母は僕を本当の孫だと知りつつも、受け入れてもらえなかった。ケニアでは家族や友人が仕事を紹介してくれることも多いけど、僕は家族がないし、友人は施設の子だから、社会的なネットワークがなくて、生活していく上で、取り残されている。」

 

アフリカは家族が大きくて絆が強いことで知られています。ケニアには「孤児」という言葉がなかったのに、欧米から持ち込まれた言葉です。ケニアでは産みの親がいなくても叔母さん叔父さん祖父母が面倒みることが当然なので、家族がいない子=「孤児」というのはいないのです。

なので、日本のような先進国は、孤児院ではなくて、家族を支援することで子どもが暮らせるようになるんです。孤児院に使うお金よりも家族を支援した方が、寄付が少なくなるというデータもあります。

このような背景から、孤児院が子どもにとっていい場所だと勘違いしていた自分を反省し、子どもが安心して家族と暮らすのが理想の社会だと強く思います。

 

youtu.be

障害のある子どもたち

施設に来る子どもたちを里親や養子縁組等を使って、家族の中で育つ子どもを増やそうという動きはケニアだけでなく、世界中で動いています。日本でも、「社会的養護が必要な子ども」たちに大型施設ではなくて、グループホームや里親さん養子縁組につなげようという流れがあります。

大学院でケニアの子どものケアの施設化(De-Institutional care=DI)について学び、その後、NGOで働くことにしました。家庭をエンパワーすれば子どもを捨てるという選択肢を取らなくて済むと考えて、ケニアウガンダで活動していました。

しかし、だんだん私の人生はこれでいいのか。自分の人生も楽しみにながら、私の夢に近づける方法はないか。

なんか今ある選択肢を選ぶだけでなくて、新しい方法はないのか。

JICAに入る。大使館で働く。国連にチャレンジする。これらは既存の国際協力の中での選択肢です。これでいいのか。私は在ジンバブエ日本大使館で働きながら、次へのステップの模索をする期間にしました。大使館であれば、給与が十分にもらえれば、草の根委嘱員は業務委託なので、ある程度自由に休暇を取ることができます。

シロアムの園でボランティア

まずは、シロアムの園にボランティアに行きました。シロアムの園は、日本人の公文さんという女医さんがやっている障害のある子どもに対するデイケアです。私はJICA海外協力隊でケニアに住んでいたので、ケニアに戻ることは初心に戻ることでもあり、障害のある子どもとどのように今後関わっていきたいか模索する旅でした。

www.lisapyon.com

短い3週間を通して、地元に密着している公文先生が素敵だし、かっこいいなと思いました。同時に私がすべきことではないと思いました。シロアムみたいな施設が沢山。公文先生が小児科医で、キリスト教徒としてのミッションをすごい感じる。公文先生と私は同じ人間なのではないので、公文先生がやるべきことと、私がやるべきこと、できることは違うなと思いました。また、ケニアの障害のある子どもと接する経験はかなり限られているなと感じました。

そして次に訪れたのは、ルワンダ

きっかけをくれたKISEKI

ルワンダはずっと行ってみたい国でありました。東アフリカの中でも急成長し、女性議員も多いし、治安もいいし、街もきれいだし、ミラクルな国と聞いてたからです。友人もルワンダに住んでいるといるし、ジンバブエからチケットが420ドルと安いことも決め手になりました。それで発見したのが、KISEKI山田美緒さんというめっちゃパワフルな日本人女性がやっているボランティアツアーです。ボランティアと宿と食事を提供してくれるパッケージツアーです。1週間という短い時間ですが、お世話になりました。

www.lisapyon.com

これはめっちゃいいと思ったのがきっかけで、ビジネスを通して、私の夢を叶えられないかと考えるようになりました。ボランティアツアーに来た人から参加費をもらい、その参加費が幼稚園の運営費用となるわけです。援助だと用途が限られていたり、現地の援助への依存体制を高めるだけですが、ここはビジネスなので、お客さんは体験を買うことで、現地での活動につながるわけです。

山田さんから「ボランティアツーリズム」というのは世界中で沢山あるよ。日本人がやっている人が少ないだけ、と教えてもらい、早速ジンバブエではじめてみようと思いました。まぁー、ジンバブエに来る人はいないので、お客さんはゼロですけど(笑)

KISEKIの幼稚園風景

 

ボーダレスアカデミーに入る

11期中間合宿

ビジネスを始めるにあたり、何をすれば、いいのか。MBAをやった知人に急に連絡してみたり、調べてみると、友人からボーダレスアカデミーの集中講座があるよ~と。名前は知ってたけど、ちゃんと調べたことなかったので、説明会に参加して、とりあえず2日講座に参加しようと思い、参加。ソーシャルビジネスの考え方、組み立て方が面白い。講師のすーさん(ボーダレスジャパン副社長)が私の性格にマッチしてたのも多いかも。はっきりものごとを話すけど、周りにいやな思いをさせないような配慮もちゃんとある人。私がやりたいことを一緒に形にしてくれるアカデミーだと知ることができ、本科(3か月)のプログラムにも参加することになりました。

ボーダレスアカデミーは社会起業家を育成するための場所です。最初にどんな人たちを対象にしたいのかじっくり考えます。その過程で、聞き取りも行うように指導を受けます。

ケニアタンザニア視察

7年ぶりに会うカリユキ

そこで、ケニアタンザニア視察旅行に出かけました。私がソーシャルビジネスをやるとしたら、まず国はどこがいいのか。自分の力を出せる場所はスワヒリ語圏なのではないかと思って、ケニアタンザニアを候補にして出かけました。その中で、タンザニアダルエスサラームに初めて訪れて、ケニアとの違いを沢山感じて、タンザニアみたいなまったく知らない国ではなくて、やっぱりケニアで始めたいという想いを固めました。

ケニアでは昔おせわになった方に会えて、沢山アドバイスをもらえました。隊員事態の人脈が全力で活かせる機会でした。ケニアタンザニアの皆さん、本当にお世話になりました。人生限られた貴重な時間をこんな急に現れた私に使ってくれることを感謝します。

そして、人生のメンターともいえる、隊員の時からお世話になっている方からアドバイスは私の思いを強くしました。

「昔からやりたいことはぶれてない。」

これは本当にうれしい一言でした。7-8年経ってもやりたいことが、「施設に頼らない子どものケア」なのであれば、そのまま進めばいいよ、と。

シロアムの園に協力に協力をお願いし、対象となるお母さんにインタビューをして、どんなビジネスプランにしたいのか、固めていきました。

 

起業に向けて

 

2023年5月現在、ケニアでソーシャルビジネスを始めるにあたり、準備中です。といっても現職の仕事があるので、仕事をつづけながら。起業にするにあたり、ケニアで仕事しながら、起業するのか。ボーダレスジャパンに参加するのか。どのような形で始めるのか検討中です。

ボーダレスアカデミーに参加することによって、社会起業家の仲間も沢山増えて、情報交換したり、励まし合ったり、たくさんの仲間がいることが、モチベーションにつながっています。ボーダレスアカデミーの本科は3か月で20万円しますが、これは安いです。

  • 仲間ができる。同期だけでなく、過去にアカデミーに参加している人と「学びのコミュニティ」というオンラインコミュニティでつながることができます。
  • ボーダレスジャパンに参加できるチャンスが!アカデミーを卒業していなくても、ボーダレスアカデミーに参加していなくて、ボーダレスジャパンに参加することができますが、ボーダレスアカデミーで起業準備することによって、同じ価値観で進むことができます
  • ボーダレスアカデミー中のメンターが豪華。アカデミー生が3人なのに、メンターも3人もいるという豪華ぶり。10分プレゼンして、起業家メンター3人からいろんな視点でアドバイスもらえる。メンターさんからビジネスプランのアイディアをもらったりできるので、自分の発想にはない視点をもらえる

ということで、ボーダレスアカデミーの宣伝になってしまったけど(笑)

私はJICA協力隊の時の人脈が人生の宝だと思っているけど、ボーダレスアカデミーの人脈がさらに私の宝になるであろうと思ってます。

 

障害のある子どもに興味を持つきかっけになったカリユキ

ということで国際協力をやってきた私が、ソーシャルビジネスにチャレンジします。失敗するかもしれないし、後悔するかもしれないけど、やってみないとわからないので、とにかくやってみる。やった人にしかわからないことは沢山あるし、見えてる景色も違うはず。

ケニアの障害のある子どもたちが、笑顔のお母さん、お父さん、兄弟、祖父母、近所の人に囲まれて、たくさんの愛情をもらって育っていけますように。