アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験を書き残していくためのブログ。

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NGOの葛藤・限界。「ドナー」と呼ばないで。

アフリカ大好き・りさぴょん(@LisapyonKenya)です。

*個人の見解なので、所属している団体の意見ではありません。

今日はNGOとして、現場で働く苦悩を書き留めておきたいと思います。国際協力・国際開発で関わる方法はたくさんあります。NGO、ボランティア、JICA、開発コンサル、国連。私は青年海外協力隊が一番草の根で働けると思っていますが、そのあとに住民と近いのはNGOだと思っています。しかし、所詮現地の人からしたら、日本のNGOはただお金をくれる都合がいい相手なのでしょうか。

 

目次

 

NGOによって現地スタッフを直接雇用していて、NGOが直接受益者を持つ直接支援型場合と、PLASのように現地NGOと契約をしてパートナー型で支援を届けている方法があると思います。PLASでは2014年からパートナー型に変えました。

パートナー型支援のメリット

アフリカの人は、全員が貧しいわけではないし、自分たちのコミュニティを改善したいと他の人のために行動している人がたくさんいます。また、現地NGOには、能力の高いスタッフいます。そのため、現地NGOと一緒に活動することにより、メリットはたくさんあります。

  • 事業のノウハウが現地NGOに残る
  • 事業を起こすだけでなく、現地NGOスタッフのキャパシティビルディングになる
  • 第3者(日本のNGO)の視点と、現地のことを知っている現地NGOがコラボできる
  • 現地NGOは資金を日本のNGOからもらえる
  • 日本NGOとしてはいつかその地域を卒業するために、準備できる

パートナー型支援のデメリット

  • 現地スタッフは日本NGOが直接雇用しているわけでないので、こちらがスタッフを選ぶことができない
  • 現地NGOと日本NGOのミッションやビジョンが一緒ではないと活動できない
  • 信頼関係を築くのに時間がかかる
  • 資金を現地NGOに送金して、お金の管理もまかせることもあるので、適切に使われることを管理しないといけないし、見えないところでちゃんと支出されていない場合もある

メリットデメリットありますが、私は個人的にパートナー型がよいと思っています。私たちは所詮外国人なので、現場のことを知っている現地の人が中心で動くべきだし、現地の人が自分たちの生活を向上させることが重要だと思っています。

パートナー型の場合は私はこのようなイメージを持っています。登場人物は「日本のNGO」「現地NGO」「住民」です。できるだけフラットな関係で、自分たちの生活をどうやって改善したいか、みんなで話し合って事業を作っていくイメージです。ここに地域のリーダーや教会のひとたちも巻き込むとさらによいと思っています。

 

しかしながら、実際の関係性は下記のような、縦割りになっている場合が多いです。ざんねんながら。

日本のNGO―資金を出すだけ。

現地NGO-日本のNGOに言われたことをやるだけ。

受益者ー現地NGOに言われたから参加しているけど、目的とかわからない。

 

これが最悪の場合ですね。日本のNGOの自己満ですね。PLASではできるだけ、上の理想的な形をとるために以下のことを気をつけています。

  • 必ず受益者を訪問して、事業について聞く
  • 現地NGOと一緒に事業を作る、課題の問題分析を一緒にやって原因が何で、何をする必要があるのかを一緒に理解する
  • 事業インパクトが起きているが事前事後の評価を行う
  • 事業運営の評価を現地NGOとPLASで行う

等々です。

ドナーと呼ばないで

それでも先日現地NGO代表と電話しているときに、こんなことを言われました。

「PLASはドナーで、私たちは実施者(implementer)だから、PLASの言われたことをやるよ」

 

私はこの発言が上記の表に2個目を表現しているようで、とても悲しくなり、電話越しで黙ってしまいました。

「・・・。」

こちら側が資金や条件の関係で、現地の希望に添えない場合も多いですが、できるだけ現地の提案を聞くようにして、その提案が妥当であるか詳しい背景や状況を聞いていきます。具体的に支援したいのは「誰」で、「何人」を想定していて、「どんな支援」を「どれくらいの期間」必要なのか。こういったしつこい質問をしていくうちに現地スタッフも「もういいよー。」と投げやりになることもあります。でも投げやりになるくらいなら、どうしても支援したい、やりたいことではないのかと解釈することもあります。そういったやりとりを重ねていく中で、現地NGOから出たこの一言は辛かったです。今まで、一緒にやってきたことはなんだったのか。所詮先進国のNGOで自己満で”支援”をしているだけで、現地の人はお金がもらえればいいとしか考えてないのではないかと。

久々に落ち込んだなー。

 

電話では、PLASはドナーではなくて、パートナーとして関わっていきたいと伝えました。コロナで直接会えない期間が長くて、ちょっと心配になるけど、今まで気づいた関係性もあるので、急がずにやっていきたいと思います。

それを言ったら、現地NGO代表も「そうだね、パートナーだよね(;'∀')」っとリアクションしてくれました。この代表の方もコロナの影響で他の団体から支援を打ち切られる等の”裏切られる”ような経験をしているので、ちょっと気持ちが不安定だったのもあると思います。

現地NGOと一緒にやれることはほんとうに楽しいし、たくさん学ばせてもらうことも多いですが、日本側の都合で、こちらに合わせてもらったり、資金の制限があるならで辛い思いをさせているんだなと今回反省もしました。

現地の住民が自ら生活を変えたい、向上させたいというのを応援したいと思っていますが、日本のNGOの勝手な仮説で”農業支援したら、生活は変わる”と思い込んでしまうのは危険だと思っています。住民と現地NGOと日本NGOが一緒に考えて、作り上げる事業が理想だと思っています。日本がお金を出す以上、完全にフラットな関係は事実上不可能だけど、何がベストか模索していきたいと思います。

いろんな形の支援はありますが、メリットデメリットは結構違いますね。

 

隊員は大きな資金を持たないから住民とフラットな関係を作りやすい。

NGOは大きな資金はないが、事業を起こすお金は持っていて、住民とも対話できす。

JICAは大きな資金もあり、政府との対等な関係を持てるが現場から遠く日本側政府の力を強い

国連は、各国からの拠出金や各国からのお金があり、インパクトを起こせるが、現場に遠く現地側が主導ではない。

 

今後国際協力で働いていきたいと思っている人はぜひどんな立場で関わりたいか考えてみてください。