アフリカ大好き~国際協力で戦う36歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験を書き残していくためのブログ。

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KISEKI@ルワンダでのボランティア1日目・受益者選定、新しいことをアフリカでやるときの注意

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)です。

ルワンダの首都キガリで、日本人が運営するKISEKIでのボランティアでの活動内容や感想を書きたいと思います。

ボランティア0日目

私はジンバブエからルワンダに土曜日に移動して、土曜日にキガリの空港に着きました。15時頃でした。空港にはKISEKIのスタッフに迎えに来てもらいました。週末はKISEKIの活動がなく、ごはんも提供されないです。空港からKISEKIレジデンスに直接行かずに、SIMカードを作ったり、スーパーに行ったりしてから、KISEKIレジデンスに向かいました。夕ご飯は他のボランティアさんが誘ってくれて近所のピザ屋さんに行きました。

日曜日は、KISEKIでごはんが出ないので、KISEKIの隣にできたカフェで朝ごはんを食べて、近所のお土産屋さんを回ってキガリの中心地まで歩いていきました。前日にベテランボランティアの方に歩いていけるお土産屋さんを色々教えてもらいました。夕方はルワンダ在住の日本人の友人と会い、Aisan kitchenで夕ご飯を食べました。美味しかった!

タイ、インドネシア等の料理が食べられます~

ボランティア1日目

KISEKIの入り口

7:00に朝ごはんを食べて、8:00過ぎてに、KISEKIレジデンスから徒歩で代表の山田美緒さんと一緒にKISEKIの活動場所に移動しました。徒歩で10分程度で行けて安全な道でした。道中はKISEKIの活動について色々伺うことができました。

幼稚園、デイケア、若年妊娠した女性への職業訓練が行われていて、デイケアの見学とお手伝いをしました。KISEKIでは、特にどこに配置をされるというよりもボランティアがしたいことのリクエストを聞いてくれて、自分がやってみたいワークショップを実施することができます。なので、何の目的でKISEKIに来ているのかをしっかり山田さんに伝えるのが良いと思います。まだ具体的にしたいことが決まっていない場合でもそれを伝えるのがいいと思います。

私は、お母さんたちがキッチンで朝チャパティを作っているので、お母さんたちに混ざってチャパティを朝作るのがだいたいの朝の習慣でした。お母さんたちはルワンダ語を話すので、コミュニケーションを取るのが難しかったですが、キッチンに行くとエプロンを貸してくれて、「Welcome~」と言ってくれて楽しかったです。

12:00になるとお昼ごはんを食べるためにKISEKIレジデンスに歩いて戻り、用意してもらったごはんを食べます。現地のごはんが出る日もありますが、とても美味しいです。食べ終わった後に、KISEKIにまた歩いていき、16:00まで活動することもできます。ボランティアの皆さんは結構いろんな活動の仕方をしていて、午前中にオンラインインターンのサポートをして、午後だけKISEKIの活動場所に来ている方もいました。

私は16:00までデイケアのお手伝いをして、KISEKIに戻り、シャワーを浴び、18:00にみんなと夕ご飯。山田家の三兄弟と少し遊んで、仕事をしたり、ブログを書いたりして、22:00にベットへ。私は今回6人部屋を一人で使うことができたので、快適でした。朝早く起きて、夜早く寝るので、他の人と生活リズムが違うので、ちょっと心配していましたが、ラッキーでした。夏休みや春休みは大学生が大勢くるので、部屋が満室になるそうです。

1日の流れ(例)

私はジンバブエにいる時から毎朝6:00からのフランス語レッスンを受けているので、KISEKI滞在中も他にやることがなければ、やってました。いつもの生活習慣のまま参加できました。

5:30 起床

6:00 フランス語のオンラインレッスン

7:00 朝ごはん

8:30 レジデンス出発

8:45 KISEKIに到着

    ●チャパティ作り

    ●子守り

    ●ICT授業の見学・補助

12:00 レジデンスに戻りお昼ごはん

13:00 活動場所に戻る

    ●スラムツアーに行った日もありました

    ●15:00からのスタッフミーティングに混ぜてもらってワークショップしたり。

16:00 活動終了、レジデンスに戻る

17:00 シャワーを浴びる

18:00 夕ご飯

19:00 仕事したり、ブログ書いたり~

21:30 ベットへ向かう

22:00 就寝

 

思考の時間

ボランティア1日目で感じたことをいくつかのテーマでまとめました。私の備忘録として、書き残します~。

※これはKISEKIで気付いたことを元に私の過去の経験を振り返っています。KISEKIで体験したことをこのまま書いているわけではないです。

KISEKIの子どもたち

受益者選定

国際協力をしているとどうやって”受益者”を”選定”するのかが課題になってきます。受益者という言葉を嫌う文化人類学者や開発の方も多いですよね。私がPLAS時代に現地のNGOとよく議論してきたことは、

「誰かを支援するということは、支援しない人作る」

ことであるを認識しなければならない。支援をもらっていない人は貧しいか貧しくないかに寄らず、「なんで自分はもらえないのか」という気持ちになりますよね。子どもの時に、他の子はお菓子もらえるのに、私だけもらえないのかという気持ちになった経験ありますよね。その人が支援を元々ほしいと思ってなかったとしても、他の人がもらっているとほしくなるもの。

話が逸れましたが、KISEKIでは幼稚園はコミュニティのものであるため、地元行政が運営していて、KISEKI個人が所有しているものではありません。そのため、幼稚園に通える児童は地元行政が持っている家庭リストに戻づいて、最も貧しい人が優先になっているとのこと!KISEKIが受益者となる子どもや保護者を選ぶことはないんです。幼稚園の主体がコミュニティというのは、KISEKIにとって、メリットとデメリットがあると感じました。これは私が考えたメリット・デメリットです~

メリット

  • 幼稚園は地元行政が運営するものなので、地元行政が責任を持って、選定している。地元主体の運営になっている。
  • 幼稚園に受け入れてほしいと住民がきて、訴えてきてもKISEKIは選定する権限がないと説明できるので、トラブルをさ回避させることができる。

デメリット

  • 選定基準があいまいな場合、最も貧困でサポートしたい人が対象になっていない場合がある。
  • 活動している中で、貧困家庭で至急支援したい家族が出てきても受け入れできない。

KISEKIは幼稚園を所有して運営しているのではなくて、支援をしている立場ですが、先生の給与を払ったり、建物の整備やメンテナンスもしているので、KISEKIが運営権があってもいいのではないかと思うほど。国際協力の難しいところで、現地が自分たちでできることは自分たちでやれるように、促すのが理想的なので、この体制は理想的ではありますが、現場で活動するKISEKIとしては難しいなと感じました。

職業訓練の難しさ

国際協力の中で職業訓練はトレンドになっていると言っても過言ではありません。それは技術は一度習得できれば、今後使うことができるし、他の人に伝えることのできる財産になるからです。小学校への教育費支援をして、小学校を卒業しても、その後の人生で生きていくためにはお金を稼ぐ方法を知らないといけないのです。その点で、職業訓練は高い需要があり、国が発展する上で経済が伸びるように人材育成をしたいと政府も考えることが多くあります。

KISEKIでは10代で妊娠をした母さんたちが自分たちで収入を得られるように職業訓練を提供しています。職業訓練している間に、子どもをデイケアで預かってもらえます。訓練は6か月でヘアードレッシングと裁縫があります。どちらもアフリカで女性がよく就く職業です。人気がある職業でもあるので、実際にやっている人の数は多いので、ビジネス的に新しい人材の需要があるかと言われれば微妙です。既に高い縫製の技術を持った女性たちが街にいるので、その産業に入っていくには、それなりの投資やマーケティング、技術・経験が必要になります。

PLASでもHIV陽性の若者たちにヘアードレッシングの職業訓練を提供して、開業までずっとサポートしているプロジェクトを担当してきましたが、本当に難しかった。その時の課題はこのようなものがありました。

  • 技術が定着しない。

質の高い教育を受けてきていない若者は新しいことを学ぶのにも時間がかかるし、論理的な思考を持っていないので、理解できないこともあります。研修で集中して話を聞くこともできない若者もいます。これは若者個人のが悪いわけではなく、基礎教育を受けた経験がないので、難しいんです。

山田さんとも話しましたが、幼少期に非認知能力を高めるような遊びだったり、学びをいていないと、論理的思考だったり、空間認知が難しかったりするんです。

  • 簡単にお金も受けできると思っている。

若者によっては保護者と暮らしていて、自分が始めたビジネスが失敗しても食べ物がなくて死ぬことがないので、必死さを感じないこともあります。もちろん与えられたチャンスを生かそうと一生懸命働いている方もいますが、子どもを持つお母さんの生計向上プロジェクトと比べると参加者の本気度が違うなと感じました。

なので、①技術を修得するまでの何回も練習するという忍耐力、②お客さんが定着するまで地道にビジネスを定着するという忍耐力がないように感じました。お金を稼ぐということがどんなに大変なことなのかを訓練や開場後に感じて、それを乗り越える力が弱いと感じます。

  • 参加者の自己肯定感や自己効力感が低い。

職業訓練は、特定のスキルを獲得することが目標ではなく、ビジネスを自分で自立するための精神面も持てる必要があるため、多くの職業訓練ではカウンセリング、チームビルディング、自己肯定感を高めるようなワークショップが同時に行われます。

そこまでやっても参加者全員が成功するわけではないので、やっぱり職業訓練は言葉でいうのは簡単だけど、「自分でお金を稼ぐようになる」という目標に達するのは難しい。

KISEKIの職業訓練に参加する若年妊娠したママは特に、旦那さんもおらずに、若くして子どもを産んでいます。社会からも家族からも良く思われていることは少ないため、自己肯定感が低い人も多いです。KISEKIでの職業訓練6か月を通して、若者たちがどのように変化していくのか、ビジネスで成功できるようになるのか楽しみです。

 

新しいことを導入する時に注意すべきこと

幼稚園はKISEKIの運営ではないですが、KISEKIが運営をサポートしています。残念ながら、地方行政から送られてきた3名の先生たちがカリキュラムに沿った適切な教育を提供しているとは思えず、アルファベットや数の練習をしているようですが、幼稚園の3年間をかけてもそれらを習得している子どもは少ないです。

そこで外部の幼稚園で取り入れている手法を紹介してやってみようということをボランティアさんがやっていました。

しかし、私たちムズング(外国人)が新しいことをやりたいと言ってもそれを取り込むことは相当難しいんです。

考えてみてください。あなたの職場にいきなりアメリカの人がきて、

「あなたたちの仕事は本当に効率的だと思いますか?新しい方法を紹介します!」

と、言ったら?

「いやいや、日本語もしゃべれないやつが私たちの仕事の何を知ってるの?」

「今までこの方法でやってきて問題なかったんだけど、それ必要?」

「新しい方法を導入すると仕事量が増えるから、いや。」

そう、考えませんか?

 

幼稚園の先生は子どもたちへの情熱はある方もいますが、労働時間をオーバーしたくないし、効果がどうかわからないことをやりたいとは思わないんです。JICA海外協力隊やNGO時代の時も、何回も何回もこの壁にぶつかりました。

「これだと効率は悪いから、こうしよう!」

「新しいフォーマットを作ったから、これなら使いやすいよ」

誰も使ってくれないし、やってもくれません(笑)

これらの多くは、私が現場の人たちと寄り添っていないことが大きな原因だと思います。

①彼らとの関係性ができていないのに、提案する

②彼らが課題と感じていないのに、勝手に課題だと決めつける

③子どもに良いことだけど、彼らにメリットがないことをやろうとする

④彼らに尊敬を示さずに、否定し、プライドを傷つけている

私たちは先進国から来て、良い教育を受けてきたので、ルワンダの人たちよりも優れていると勘違いしがちです。ルワンダの人たちは高い能力とポテンシャルを持っていることを忘れずに接することを忘れてはいけない。

JICA海外協力隊、NGO、ボランティアやインターンでまず心がけたいのは、ここです。

①A 普段から丁寧に挨拶をしたり、一緒にお茶を飲んだり、家族の話をして、仲良くなる。

「How are you?」だけではなく、「あなたのシャツ素敵ね。どこで買うの?」と聞くと奥さんが誕生日に買ってくれたストーリーや普段行くマーケット等を教えてくれたり、世間話することで関係性を少しずつ作ります。最初は相手が自分の話をしてばっかりになりますが、相手も自然と自分のことを聞いてくれて、日本の話をすることで、”へぇ~日本の人はそうゆう生き方なのか~”と感じ取ってくれることも多いです。

②A 普段の会話から彼らが改善したいと思っているけど、自分ではできないと思っていることを探る

これはダイレクトに「何が問題ですか?」と聞くのではなく、①Aの会話の中で、「いつからここで仕事を始めたの?」「ECDの先生になるには資格をどこで取るの?」という会話から、普段面している課題や困難の話を自然としてくれます。「何が問題ですか?」と聞くとだいたい「お金がない」という答えになるので、普段抱える問題にはたどり着けません。

メタファシリテーションという方法があります。ここまで詳しく書かないので、ぜひムラのミライさんのメタファシを調べてみてください。

③A 彼らの仕事がもっと簡単になったり、時短できるやり方を考える

普通に考えて仕事量が増えるのって、幼稚園の先生だけでなく、自分もいやですよね?(笑)それを子どもへのパッションやモチベーションがないと考えるのは違うと思います。新しい手法が沢山教材を使わなきゃいけなかったりすれば、最初はやるけど、続かなかったり、やり方が複雑で誰に毎回聞かないといけないと、やりませんよね。教材は一回作ったら、繰り返し使えたり、使い方のマニュアルがあって、わかりやすかったり、手順の方法を提示してあったり。毎日毎日それをやる人の身になって、簡単にできる方法を考えたいですね。

④A 相手のプロフェッショナリズムをくすぐる様に、意見を求める

私はNGOのスタッフにいつもこの言い方を使いました。

「あなたがこの地域で一番子どもを知っているプロフェッショナルなので、意見を聞きたい。」

そうすると、上機嫌で話しますwそして、適当に根拠のないことを話し始めることも多いので(ケニアの場合)、どんどん論理的な質問を突っ込んでいきまっす。

「それはどうやって持続的にできると思う?」

「それに対して地元のお母さんはどう思うの?」

そうするとスタッフがだんだん答えられなくなって、論理的ではなくて、なんとなくそう思っているだけというのに自分で気付きます。こうゆう時もメタファシリテーション

がめっちゃ役に立ちます。

そして理想論が語りがちなスタッフに対して、

「その考え方が良いと思っているなら、一緒にやってみない?」

と、言って新しいアプローチをどうゆうする流れに持っていきます。私から提案してしまうと、私がすべてやらないといけないことになってしまうけど、スタッフがいいと思ってことであれば、一緒にやらないといけない共同責任者となり、難しい場面に出くわした時にこの質問をして、スタッフにどうすればいいか考えてもらいます。

「あなたがこの地域で一番子どもを知っているプロフェッショナルなので、意見を聞きたい。」

 

私はケニア人とのコミュニケーションがうまいと自負してます(笑)

ということで何か新しいことや今までと異なることをやるのって、アフリカに限らず、人々は”リスク”と捉える人が多いので、やり方を工夫する必要があります。相手の立場に立って、現地の人と一緒に何かを始められるように、自分が努力しましょう!

 

お母さんが働いている間、預かっている赤ちゃんたち

 

ということで、KISEKIでボランティアとしてお邪魔した初日に感じたことをまとめました。私の狭い視野から感じたことなので、異なる視点をお持ちの方もいるかと思いますが、私が感じたことをそのまま書き残しておきたいと思います。

 

アフリカ大好きりさぴょん(@LisapyonKenya)でした~