アフリカ大好き~国際協力で戦う34歳・りさぴょん日記。

アフリカ、女性の国際協力のキャリヤや経験、婚活を書き残していくためのブログ。

MENU

ブックレビュー「子育て支援の経済学」

アフリカ大好き・りさぴょん(@LisapyonKenya)です。 

今日は私が最近読んだ本を自分のためにまとめて、思考してみたいと思います。何かインプットした時にそれをアウトプットするのは大切ですよね!

私は子どもの支援の専門家になりたいのですが、子どもの支援=家族や保護者のエンパワーメントと言えるでしょうか。最近では子どもをできるだけ早い時期に、教育や介入支援したり、投資した方が費用対効果が高いという研究がたくさん出ていますね。今回紹介する、著者の山口慎太郎さんが子育てを経済学から読み解いています。

 

子育て支援の経済学

子育て支援の経済学

 

 目次

 

著者の山口慎太郎さんは、この本の中で重要にしているのは、実証研究やデータ研究が明らかにする因果関係です。日本や海外での福祉政策が本当に問題解決をしているのかどうか。過去の調査事例をたくさんあげています。数学っぽいところもあり、私はちょっと意識が飛んでしまうときもありますが、他国での事例も出てきて、わかりやすいです。勝手に気になった章だけ紹介していきます!

1. 少子化と現金給付

一つ目は日本の少子高齢化問題とそれに対する政策が有効であるか因果関係です。日本には児童手当がありますね。

1. 支給対象

中学校卒業まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童を養育している方

2. 支給額

児童の年齢 児童手当の額(一人あたり月額)
3歳未満 一律15,000円
3歳以上
小学校修了前
10,000円
(第3子以降は15,000円)
中学生 一律10,000円

児童手当制度のご案内: 子ども・子育て本部 - 内閣府

 育児にはお金がかかるので、児童手当を増やば、子どもを産めると判断して、出生率が上がるかという検証です。ベッカー理論を障害しており、出生行動には、子どもの「量」と「質」があると。「量」は子どもの人数、「質」は習い事や私立学校等の支出です。これはみなさんも納得の部分でしょう。子どもをたくさんほしいと思っていても、子ども5人全員が大学に行きたい、海外に留学に行きたいと言われたら、「そんなお金は我が家にない!!」となりますよね。もちろんお金だけでなく、育児の時間も取られます。自分の時間がなくなる。もちろん子どもをたくさん持てるという喜びもあります。「量」と「質」はトレードオフなんです。

その考えからいくと、児童手当を増やしても、かならずしも子どもの「量」にみんながお金を使ってくれるとは限らず、給付金は子どもの「質」に使われて、出生率をあげたいという目的には届かないのです。

 

2. 保育支援

アベノミクスの「新・三つの矢」のひとつ「夢をつむぐ子育て支援」で出てきた、待機児童解消や幼児教育無償化。2020年10月についに幼児教育無料化が始まりましたね!細かく制度が決まっていますが、幼稚園、保育所認定こども園を利用する3-5歳の子どもたちは基本的に無料です!

幼児教育・保育の無償化について(日本語) : 子ども・子育て本部 - 内閣府

私は25歳くらいの時に、生理が来るのが遅れて、もしや妊娠したかと思った経験があります。もし彼が子どもを産むことを拒否したら、どうしよう。シングルマザーになっても子どもを産もうかと考えました。その時に知ったのが、保育園の料金の高さ!市や区によって違いますが、月5万円くらいすることもあると知り、これは自分の給料で家賃と保育園と生活費を賄えないと感じました。子育ての費用の中で、大きい費用ですよね。

著者の山口慎太郎さんの考察の中で、唯一違和感があるのは、子育て=母親で考えている部分が多いところです。もちろん例外があるということは述べていますが、母親が主な養育者として、経済学を考えるのは少し古いのではないでしょうか。

実質的な子育て費用は子育てにかかる母親の時間の経済的価値であるという考え方だ。

現実、母親が大きな子育ての担い手になっている日本の社会では、母親の労働と子育てに強い関係性があります。私は子どもがいませんが、周りの友人でも、働きながら、子育てをしていて、子どもが熱を出したので、仕事を中断して、お迎えにいくという姿をいつもみています。それはかならずしも母親ではないし、父親が主夫の場合もあるし、ベビーシッターを雇っている方もいます。

しかし、前提として保育所があるので、保護者が働きながら、子育てができる環境があるというのは事実ですね。

保育所がある社会においては子どもを持つことの機会費用を抑えられている。

子どもを持つこと と 仕事をすること

どっちを取るかではなくて、保育所があることで、働きながら、子どもを持つ負担を軽減できている。

保育所を必要としている家族の多い地域では、出生率を引き上げを示唆する結果が得られている。

しかし、こうゆう結果も一部では出ているようです。給付金と同じで、保育所があって、補助金が少し出たからと言って、かならず出生行動がすぐに変わるわけではありません。子どもを持ちたい、子どもをもう一人ほしいという方には、幼児教育の無償化はかなりでかいですよね。所得制限をちゃんとやった方がよいという批判もあり、その通りですが、それはちょっとまた違う議論なので、今回はおいておきます。

参考:

幼保無償化なのに「12万円負担増」 制度の落とし穴:朝日新聞デジタル

幼保無償化 効果の検証が必要だ |論説|佐賀新聞LiVE

3. 幼児教育とはどんな効果が?

ここでは私も最近意識している「非認知能力」の話が出てきます。単に勉強ができて、頭がよくても、仕事ができない人っていますよね。社会で生きていくためのスキルといえる「非認知能力」はこのように理解されています。

 

非認知能力と認知能力の違い

非認知能力の対極といえる言葉に「認知能力」があります。

認知能力がいわゆるIQ(知能指数)に代表されるテストで測ったり数値化したりできる知的な能力(学力)を指すのに対して、非認知能力は認知能力“以外のもの”を広く指す言葉です。

OECD (2015) では少し具体的に「社会情動的スキル」とされ、「目標の達成」「他者との協力」「情動の抑制」といった下位カテゴリーが示されています。

つまり、非認知能力とは「目標や意欲、興味・関心をもち、粘り強く、仲間と協調して取り組む力や姿勢を中心」とする力と言うことができます (出典3)。一概には言い切れませんが、例えば、やり抜く力、目標に向かって頑張る力、自制・自律性、自己肯定感、他者へ配慮、コミュニケーション能力などが非認知能力に該当すると考えられます。

 参考: 非認知能力とは?世界が注目、生涯の学びを支えるちから

 重要だと思いませんか?仕事をするときに集中して、失敗をしてもあきらめずに周りのみんなとチームで粘り強く仕事の目標を達成しようとする人!これは個人の性格だけではなくて、能力なんです。

訓練すれば、伸ばせる能力です。

ウガンダで若者の技術訓練をしていますが、ヘアードレッシングの技術が上手でもビジネスがうまくいかない若者もいます。美容院は初めてから、毎日どんどん収入が入ってくるようなビジネスではありません。コツコツ続けていき、サービスの良さをお客さんが実感してくれたら、常連客になってくれ、口コミで、評判が広がっていきます。グループの友だちと「協力」して、「やりぬく力」が必要です。これは技術訓練と同時に必要なスキルとも言われます。それって、「非認知能力」なんです。

 

4. 考察

男性を含めた日本の労働社会の改善が必要!

子育ての話になると、母親に偏りすぎ!男性のクオリティ・オブ・ライフ(quality of lifeQOL)と呼ばれる生活の質が高くなれば、余裕が生まれて、子育てに自分から参加できる環境になる。労働環境を改善だ!それが、少子化軽減になると思う!

それはオランダがよい例!

保育が充実して、子どもができても働き続けられるように、と。女性の社会進出を応援してくれるのはいいけど、社会進出(労働)+子育て(労働)のダブル労働になって、女性の社会進出は、女性を苦しめるだけになっている。男性(旦那さんやパートナー)が、子育てを一緒にやれる環境がないよ。イクメンという言葉がありますが、育児は男性も女性もするし、家族やコミュニティ全体でするものでしょーよ!

この記事はとても参考になります!

www.somu-lier.jp

私はオランダの大学院に行っていました。ハーグという街です。

移民も多く、自分が外国人であることが浮かないような多様性のある社会でした。オランダで生活を始める時に、1年先輩の大学院生に言われたことは、「スーパーが閉まるのが早いから気を付けてね。」ということでした。平日も19時で閉まったり、日曜日は11:00-16:00と短かったりします。ドラックストアや洋服屋も、日曜日は基本的にお休みだったりします。ここで、「平日のフルタイムで働いている人はいつ買い物するんだよー!」と思うのが日本人です(笑)オランダでは日本のようにガッツリ決まった時間でフルタイムという人が比較的少ない気がしました。それは働き方改革をしているからです。土日週末もみんながお休みすることで家族と過ごせる時間が増えますよね。お店も空いてなければ、買いに行く人もいないので、家でゆっくりできます。24時間のコンビニなんていらないよ!!!と叫びました。週末も、夜中も、年末年始も、働くなんて!

 

子どもは家族との時間が大切なんだから。日本のなぞのワード「家族サービス」。この言葉嫌いです。性別問わず、年齢も問わず、労働環境が改善されて、働くことが自分の生活の中心になりすぎている日本の保守的な社会から脱却しましょう!父親も子育ての時間をわざわざ捻出しなければという状況にはありません。平日の夜、週末子どもと過ごせる時間がたっぷり確保されているんですから。

 

ということで、「子育て支援の経済学」をご紹介しました~。

アフリカ大好き・りさぴょん(@LisapyonKenya)でした!